■PLEXTOR PX-712A (国内パッケージ版) 更新日 2004年5月26日

英語パッケージモデルから遅れること約1週間。国内パッケージ版のPX-712Aがようやく発売となりました。

プレクスターと言えばPX-708A発売時、Made in Japan と Made in China モデルが同時流通 していたことで有名ですが、今回は 「それはなさそう」 と思いつつも、いくつかのショップを回り TLAのフォント チェックを敢行!(笑)
見回った限りではどうやら Made in China のみのようなので、あまり気にせずに TLA #0101 のを購入しました。 ※今後出回るブラックモデルについては未確認

ここでは、英語パッケージモデルの続きと言う感じで、気になることを調べていきたいと思います。
(PC環境は、海外パッケージ版PX-712Aのときと同じです)


PX-712A
PX-708Aと違い、日本人好みのパッケージデザイン・・・のように思います(^^;
デザイン的には非常に好み。
公式ページ



外箱のTLA
今回検証に使ったのは、TLA #0101 のMADE IN CHINAモデル



製品ラベル
MADE IN JAPAN は、若いシリアルNo. のみかもしれません。(未保証)



DVDINFOPro 2.48
海外パッケージ版のシリアルは 006990 でしたが、国内パッケージ版のは 1106** と、結構違ってます。
※購入時期はほぼ同じです



Nero InfoTool 2.21
DVD+R DLの読みにはチェックがつかず。
バッファは余裕の8MB搭載。



PX Info 1.22
購入直後で、なにもしていない状態。





★★★ 期間限定公開 ★★★
TLA #0000 Made in Japan の基板スキャン画像 約1MB New Window!
TLA #0101 Made in China の基板スキャン画像 約1MB New Window!






〜海外パッケージモデルと、国内パッケージモデルの比較〜

【補足説明】
TLAの上2桁はハードウェアのなんらかの違いを示していると言われていますが、詳細は不明です。
TLAの下2桁は出荷時のファームウェアのバージョンを示しています。

例)
TLA #0000 → 出荷時のファームウェアは1.00
TLA #0101 → 出荷時のファームウェアは1.01


比較項目 海外パッケージ版PX-712A 国内パッケージ版PX-712A
メインチップ SANYO LC897491 同左
TLA #0000 #0101
初期ファームウェア 1.00 1.01
製造国表記 JAPAN CHINA
付属ソフト PlexTools Professionai 2.12
Roxio Easy CD & DVD Creator 6
Roxio Drag-to-Disc
Roxio DVDMax Player 2.0
Roxio PhotoSuite 5
Dantz Retrospect 6.5
PlexTools Professionai 2.12
B's Recorder GOLD 7.17
nero 6.3.1.6 SE
PowerDVD 5
PowerProducer 2
付属ブランクメディア PLEXTORロゴ入りDVD+Rメディア
(IDは太陽誘電8倍速DVD+Rメディアと同じ)
なし
付属ケーブル ATA33フラットケーブル なし
その他付属品 簡易マニュアル(紙)
通常マニュアル(紙、トータル126ページ)
エマージェンシースティック
取り付けネジ x 4
ジャンパー
簡易マニュアル(紙)
各種ソフトウェアマニュアル(紙)
エマージェンシースティック
取り付けネジ x 4
ジャンパー
保証書ユーザー登録カード
保証 なし(バルク扱い) メーカーの1年保証

国内パッケージモデルにはブランクメディアは付属していませんが、海外パッケージモデルは太陽誘電の8倍速DVD+Rメディア(PLEXTORロゴ入り)が1枚付属しています。
なんか納得いかないところもありますが、購入価格は国内版のほうが安かったので、あまり気にしないことにします(笑)




■1層最後のキラードライブか!? PX-712Aの主な特徴(主観意見含む)

あまりドライブ関係に興味がない人がPCショップに行くと、PX-712Aは12倍速 という点に目が行き、それ以外は特に気にも留めないかもしれませんが、実際使ってみるといいと思う点が多数あります。


良い(と思った)点
最速のDVD+R 12倍速P-CAV書き込み対応。(2004年5月現在)
Z-CLVではなく、P-CAV & 初速6倍速 というのもポイントで、単なる12倍速ではなく速度を最大限に追求した12倍速仕様。
6倍速フルCLV書き込みが可能。(Z-CLVではなく、フルCLVなので、レーザーの途切れがなく、気分的にいい)
さらに、一部の4倍速DVD±Rメディアにも6倍速CLV書き込みが可能。
付属の PlexTools Professional にて、CD,DVDメディアのエラーチェックが行える。
C1/C2 PI/PO だけでなく、Beta/Jitter Tracking Error(ブレ)/Focus Error(平面度)の測定が可能。Beta測定はどの程度のレーザーパワーで書き込んでるかある程度判別できるため、思ったより使える印象。
DVDメディアにもVariRecが可能。そのため、質が悪くてまともに書き込めないメディアでも、(ユーザーの試行錯誤で)なんとかできる可能性が残されている。
不覚にも安さにつられて激安50枚スピンドルを買ってしまったときなんかいいかも(笑)

台湾激安メディアをVariRecでこんがり焼く を参照。
※ただ、この機能にはあまり期待しないほうがいいかもしれません。国内パッケージ版(ファーム1.01)のPX-712Aで試す限りでは、OPTODISCの4倍速DVD-Rメディアはかなりの高確率で焼きミスしてしまいます。
→VariRec -2 で試してもだめでした。
DVDメディアの読み速度が速い。(記録済みDVD±Rメディアでも、MAX 12倍速出る)
SILENT MODE を搭載。
高速ドライブだが、読み速度の上限を設定可能なので、PCを静音化したいときに実は要注目なドライブ。
※Nero Drive Speed のように常駐タイプではなく、ドライブ自体が設定を記憶するため、深夜に家族に隠れて、OSの再インストールしたいときも有効!?(笑)
今まで同社のPREMIUMのみで使用可能だった、PlexTools Professional の高度な機能も(ほぼ)フルに使用可能。(1stセッションのみのみ有効、SecuRec、GigaRec等の機能が使用可能)
※SecuRecは企業での機密文書保存にも有効です。会社で新規にPCを導入するときは、「SecuRec」を前面に押し出せば、PX-712Aを買ういい理由付けになります(笑)
ライティングソフトが3つも付属している。
PlexToolsはユーティリティーソフトという位置付づけですが、ライティングソフトとして使用可能。また、nero6はベンダーIDが PLEXTOR のドライブのみ使用できるバージョンです。(ただ、Nero Expressに関しては他ベンダードライブでも使用可能)
各種音楽ディスクの読み性能がいい。(CDS200系、Key2Audio等)
普通にリッピングできてしまう上に、読みで問題が発生しません。CDS-100のようなクセの強いディスクもトラック正常認識 & 隠しトラック(LBAマイナス領域)のリップも可能。
付属のPlexTools Professional を使用することで、音楽ディスク読み書き時のオフセット値を (読み書きのそれぞれの段階で) 自動で修正してくれる。しかも読み込み時はリードインアウトオーバーリード機能(←これも自動でやってくれます)が働くので、ディスク上のユーザーデータ領域をあますことなくリッピングすることが可能。(逆に言えば、ほとんどのリッピングソフトはドライブのオフセット値分データを取得してくれない、ということになります)
さらに、書き込み時も、最終トラック末尾に588のゼロサンプルを付加することで、全データをディスク上に再現することができる。(これをなにもせずに可能なのは、日立LGのマルチプラスドライブくらい)
※これに関しては、かなり細かい & どうでもいいことなので、通常はまず気にすることではないと思いますが、PX-712A + PlexTools Professional の組み合わせでは細かい意味での完璧な音楽CD読み書きができる、、ということです。
CD Manipulatorで書き込み可能
バッファを8MB搭載




悪いと思った点、不満な点
暁のラブレター 等、一部の音楽ディスク書き込み時に問題が発生する。
Pioneerは、DVR-A07-J でDVD-RAMの読みをサポートしたが、PX-712Aは不可。
GigaRecで書き込みしたような特殊なディスクな読み性能が、PREMIUMより劣る。
こちら を参照。
台湾系激安メディアに弱い。(GSA-4082B等との比較)
※基本的に激安メディアをメインで使う人には向いていないドライブのように感じますが、RITEKG04あたりならまともに使えそうです。




その他
DVDメディアの1倍速書き込みは未サポート
DVDメディアの、PI/PO Test、Beta/Jitter Test は2倍速CLV読みをしているようで、30分程度時間がかかる。(確認時ファームウェアは1.01で、PlexTools Professionalのバージョンは2.12)
エラー測定しまくるぞ!と思いつつ買うと、意外と測定に時間がかかり待つ印象なので(一応)要注意。
Exact Audio Copyで書き込みできない。
(確認時のファームウェアは1.01 と 1.02 で、Exact Audio Copyのバージョンは 0.95 prebeta 5 )
PX-704Aは焼き面がいまいち綺麗でなく(段々のむらが出ることががある)精神衛生上よくないが、PX-712Aの焼き面は非常に綺麗。
DVD+RメディアのROM化は不可。 → ファーム1.05で可能になりました。


ということで、多少は不満な点はあるものの、全体的にはかなりの満足度です。
これまでのドライブにない可能性を感じさせる 「DVDメディアのVariRec」 に、それの効果を確認できる各種品質測定(PI/PO、Beta/Jitter)等、付属のPlexTools Professional を使いこなすとドライブの面白さが増します。
※ドライブの面白さ、というのも変な表現ですが(笑)




■6倍速、8倍速での書き込みが可能な4倍速DVD±Rメディアについて

一部の4倍速DVD±Rメディアに6倍速、8倍速での書き込みが可能になっていますが、ファームウェア1.01での6倍速、8倍速書き込み可能なメディアは以下の通り。(調べた分だけ掲載)
※ファームウェアによって6倍速、8倍速書き込み可能なメディアが異なっています。例えば、maxell の4倍速DVD-Rメディア (MXL RG02) と三菱の4倍速DVD-Rメディア (MCC 01RG20 ) は、ファームウェア1.00では6倍速、8倍速書き込みが可能でしたが、ファームウェア1.01ではMAX 4倍速までになりました。


6倍速と8倍速書き込みが選択できた4倍速DVD±Rメディア
※確認時ファームウェア 1.01
メディア種類 メディアID
太陽誘電 4倍速DVD-Rメディア TYG01
太陽誘電 4倍速DVD+Rメディア YUDEN000T01
RICOH 4倍速DVD+Rメディア RICOHJPNR01
三菱 4倍速DVD+Rメディア MCC002
TDK 4倍速DVD-Rメディア TTG01
Smartbuy 4倍速DVD+Rメディア PRODISC R02


意外なことに、Smartbuyの4倍速DVD+Rメディア(PRODISC R02)
は6倍速、8倍速が選択可能でした。
昔のProdiscはイマイチな印象でしたが、いつのまにか台湾系優良メーカーになりつつあるように感じます。




6倍速と8倍速書き込みが選択できなかった4倍速DVD±Rメディア(IDのみ掲載)
※確認時ファームウェア 1.01
メディアID
MXL RG02
MCC 01RG20
RITEKG04
ProdiscS03
KIC01RG20
UTJR001001
CMC MAG. AF1
OPTODISCR004
PRINCO
BeAll G40001
DAXONAZ1
GSC001


PX-712A以外にもこういった仕様のドライブはありますが、PX-712Aのいいところは6倍速フルCLV書き込みが可能なことで、これができるドライブは実はあまりありません。(2004年5月現在)

実際使ってみると、太陽誘電の4倍速DVD±Rメディアでの6倍速フルCLV書き込みはなかなかの好感触。コストパフォーマンス的にかなりいいのではないかと思います。
※ただ、6倍速、8倍速書き込み可能な4倍速DVD±Rメディアは、ファームウェア1.01では、ファームウェア1.00のときより制限されていたりするので、今後のファームウェアのアップデートによってこの辺の事情は変わってくるかもしれません。




■特徴等まとめ (国内パッケージ版)

項目 結果(データ)
主要チップ LC897491
製造国表示 CHINA または JAPAN (JAPAN表記は多分初期のころの製造品のみ)
排気ファン なし
5V定格 1.5A
12V定格 2.0A
ヘッドホン端子 なし ※PX-708Aはあり
動作音 CDメディアMAX読み書き時は少し気になる
※PlexToolsで回転数を制御することで、静音化が可能
付属のブランクメディア 国内パッケージモデルはなし
海外パッケージモデルは、PLEXTORロゴ入りDVD+Rメディアが1枚付属(IDは太陽誘電8倍速DVD+Rメディアと同じ)
付属のソフト PlexTools Professionai 2.12
B's Recorder GOLD 7.17
nero 6.3.1.6 SE
PowerDVD 5
PowerProducer 2
SafeDisc2.8 3.1のバックアップ 2.8OK
2.9NG(SD-M1502で起動しない)
3.0以降は未確認
SafeDisc2.8 3.1の読みドライブとして使用可能か? 可能
CDS200仕様ディスクのマウント & 読み 共に良好
Key2Audio仕様ディスクのマウント & 読み 共に良好
Alpha-Audio仕様ディスクのマウント & 読み
※確認したのは1stセッションのみ
共に良好
Read sample offset correction +30
Write samples offset -30
Combined read/write sample offset correction ±0
DVD+R DVD+RWメディアのROM化 無理 → ファーム1.05で可能になりました
プリギャップリードサイズ
PRE-Gap Checker にて計測)
データCD(LBA) : -140
データCD(MSF) : -140
音楽CD(LBA) : -75
音楽CD(MSF) : -75
DVD-RAMに記録したデータは読めるか? 不可
SACDハイブリッド・ディスクへの対応 普通に読み可能
aiko / 暁のラブレター への対応 書き込み時に問題発生する
読み速度の変更はできるか? 可能
CD-R最低書き込み速度 4倍速
フルCLVでのCD-R書き込み最高速度 16倍速
フルCLVでのDVD-R/DVD+R書き込み最高速度 6倍速
ROM化したDVD+Rディスクの認識 DVD-ROMとして認識可能
こちら の、「■ROM化したDVD+Rディスクの認識について」 のところも参照
保証 1年保証(国内モデル)
トレイの色
搭載バッファ容量 余裕の8MB


【補足1】
付属のnero6は、PLEXTORドライブのみ使用可能なバージョンです。(別途正規シリアルを入力することで、他ベンダードライブも使用可能)

付属のnero 6.3.1.6 でのドライブ選択画面。
PLEXTORドライブでないと使えません。
(ただし、Nero Express は使用可能)


【補足2】
ライティングソフトが3つも付属していますが、全部インストールしても(うちの環境では)無問題です。

【補足3】
(エラー入り)CDS200系音楽ディスクの読みはよく、複数回読んでもバイナリは一致。安定して読めます。

【補足4】
B's Recorder GOLDでDVD-Rメディアに書き込み完了するとき、トレイは開かないタイプです。

【補足5】
すでに書きましたが、EACで書き込み不可!です。
音楽ディスク読み書き時のオフセット値を気にするときは、PlexTools Professional を使うのがよさそう。

【補足6】
SafeDiscのバックアップは、2.8までは可能ですが、2.9では不可です。(3.0以降は未確認)

【補足7】
書き込み済みDVD±Rディスクのマウントにやけに時間がかかるときがあります。(どういう条件のときに時間がかかるか?までは詳しくは調べてませんが)その辺を重要視するときは一応注意。
※この件については、今後のファームウェアのアップデートで変わってくる可能性があるかと思います




■各種オンラインソフトでの動作

CD Manipulator
2.70
Exact Audio Copy
V0.95 prebeta 5
かんべ最終版 DeepBurner
1.1.0.117
CD-Ripper
通常のデータの
CD-Rメディアへの書き込み
OK - - OK -
通常のデータの
DVD±Rメディアへの書き込み
※DVD-Rメディアにて確認
- - - 未確認 -
ISOイメージの
CD-Rメディアへの書き込み
OK - 未確認 未確認 -
ISOイメージの
DVD±Rメディアへの書き込み
※DVD-Rメディアにて確認
※4.36GB
- - 未確認 未確認 -
ISOイメージの
DVD±Rメディアへの書き込み
※DVD-Rメディアにて確認
※3.33GB
- - 未確認 未確認 -
WAVEファイルからの音楽CD作成 OK NG
※CUEシートからもNG
- OK -
CDイメージ作成 OK OK
(CD-DAのみ)
未確認 - -
DVDイメージ作成 - - 未確認 - -
隠しトラックのリッピング
(LBA 0より後の領域)
- - 未確認 - OK
隠しトラックのリッピング
(LBA 0より前の領域)
- - - - OK

Exact Audio Copy V0.95 prebeta 5 で書き込みできないのはちょっと予想外でした。(今後のEACのバージョンアップで改善されるかもしれませんが)
CD Manipulatorでは普通に動作可能。その他、LBAマイナス領域からのリッピングは問題なく可能です。




■その他の検証

DVDメディアの Beta/Jitter 測定で、外周部が(↓のように)怪しげな感じになることがありますが、DVD Backup Guide さんでも同じようなグラフが何枚かあるので、これはこれでいいみたいです。
(どうもJitterの振れ幅が大きいとこうなる気がします)




PlexTools Professional、KProbe 測定結果(8倍速DVD±Rメディア) New Window!
PlexTools Professional、KProbe 測定結果(国内メーカー系4倍速DVD±Rメディア) New Window!
PlexTools Professional、KProbe 測定結果(台湾メーカー系4倍速DVD±Rメディア) New Window!
PlexTools Professional、KProbe 測定結果(等速DVD-Rメディア) New Window!
CD関連のベンチマーク New Window!



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